部分矯正
partial-orthodontics
部分矯正とは
部分矯正治療(MTM)は、気になる部分に限局して歯を動かし、短期間で治療する矯正治療です。MTMとはMinor Tooth Movementの略です。部分矯正はおもに前歯を中心とした部分的な歯だけを動かして治療するため、すべての歯を矯正する全体矯正よりも「低価格」「短期間」で治療できます。
前歯だけの治療を希望されることが多いですが、奥歯についても、インプラント治療を受けるためのスペース確保の治療として行う場合があります。
部分矯正の仕組み(特徴)
表側矯正、裏側矯正、またマウスピース型矯正装置(インビザライン)のいずれの場合も基本的には全体矯正と同じ仕組みです。ただし、装置を装着する範囲や歯を動かす設計の範囲が極端に限局されます。
たとえば前歯の部分矯正の場合、左右の犬歯までの範囲、あるいは小臼歯までの範囲で設計することになります。
部分矯正の器具の説明
部分矯正のバリエーションを豊富に取り揃えておりますので、お気軽にご相談ください。
部分矯正のメリット
1治療期間と費用を抑えることができる
歯を動かす範囲が限局されていますので、治療期間と費用を極端に抑えることが可能です。
たとえば結婚式前にすきっ歯を治しておきたい、などのご要望などには治療期間を短縮できる部分矯正が良いかもしれません。
他の矯正法との比較
他の治療と大きく違うところは、動かす歯の本数、領域が決定的に違います。基本的には前歯の部分だけの限定的な領域でしか動かさないので、治療方針や適応可能症例などは制限があります。担当の先生に気軽にご相談ください。使える装置は全体矯正と同じで、表側、裏側、マウスピースのいずれも選択できます。
部分矯正で歯が移動する仕組み
それぞれの使用する装置による仕組みと同じですが、動かせる領域が限られていますので、ガタガタが強い症例の場合には歯が前に出てしまう可能性があります。それを回避するために前歯の横幅を少し研磨して隙間を作るという方法がありますが、こちらも限界があります。ましてや抜歯ということになると全体矯正の適応ということになりますので、担当の先生と相談していただく必要があります。
部分矯正の治療症例
治療症例01.
主訴(気になるところ) | 下の前歯の隙間 |
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診断名 | 叢生 |
年齢 | |
治療に用いた装置 | マルチブラケット装置 |
抜歯部位 | 非抜歯 |
治療期間 | 5カ月 |
治療費 | |
リスクと副作用 | 歯ぐきの薄い方でしたので、歯ぐきのラインが下がる可能性がありました。前歯の噛み合わせの干渉が強くなる可能性がありました。 |
コメント | この方は下の前歯を気にされてご来院されました。上の前歯にも少し叢生が見られましたが、ご本人は費用の問題から下の前歯だけの部分矯正をご希望なさいました。 このような空隙を部分矯正で閉鎖する場合、前歯の歯の角度に注意しなければなりません。ですので歯軸角のコントロールに優れるマルチブラケット装置による部分矯正を行いました。前歯の空隙はもちろん閉鎖できましたが、ブラックトライアングルも大きく発生せずに治療することができました。歯軸角のコントロールをうまくできたからですね。 治療後2年を経た今でも良好な治療結果を維持できております。 |
部分矯正の向かない人(デメリット)
治療期間が短く、費用も抑えられる部分矯正は魅力的ですが、歯を動かす範囲が限局されるため適用できる症例が限られるのも事実です。
叢生(ガタガタ)が強い方や、極端な出っ歯の症状の方にはやはり本格的な全体矯正治療が適応となります。