歯並びを綺麗にする矯正治療で、抜歯による矯正治療を提案されることがあります。虫歯でもない健康な歯を抜くのには抵抗がある患者様は少なくないことでしょう。治療を行う矯正歯科医も、患者様の大切な歯を可能な限り守りたいと考えていますが、歯並びの具合によっては抜歯をした方が良いケースがあるのもまた事実です。

矯正治療で後悔しないためにも、歯列矯正における抜歯の必要性やそのメリットデメリットについて知ることが大切です。

ガタガタ、八重歯、出っ歯 歯を並べるためのスペース確保

歯並びがガタガタであったり、あるいは八重歯や出っ歯の人は、なぜそのような歯並びになってしまったのでしょうか？簡単に説明すると、狭い顎の中に多すぎる歯が無理やり並んでしまっているからです。現代人の顎は原始時代の類人猿だった頃の顎に比較してかなり小さくなっていると言われています。その顎の中に、原始時代のままの歯の本数が生えているわけですから、当然ぎゅうぎゅう詰めになってしまい、歯並びがガタガタ歯や八重歯になったり、あるいは前方に押し出されて出っ歯になったりするわけです。
そのため、歯を適切に並べるための場所を確保するために、抜歯をすることがあります。

歯を抜かずにスペースを確保する方法

スペース確保のためには、必ずしも抜歯しか方法がないわけではありません。歯を抜かずに歯を並べるためのスペース確保の技術としては大きく２つ存在し、どちらもメリットとデメリットがあります。

大臼歯の遠心移動

大臼歯の遠心移動は、矯正装置により奥歯の位置を現状よりさらに奥の方へ移動させることでスペースを確保することです。移動距離がしっかり稼げれば、歯を抜かずに歯並びを治すこともできます。

【メリット】
奥歯を遠心へ移動させるという比較的単純な方法でスペースを確保することができる

【デメリット】
奥歯を移動させるべきところの親知らずを抜かなければならない場合がある
奥歯を移動させるための柱としてアンカースクリューというネジを顎の骨に打つ必要がある

IPR

IPRとは、歯と歯の間を少しだけ削ってスペースを確保する方法です。特に前歯に行うことが多いです。削るといってもわずかな量ですので、痛みなどは心配ありません。

【メリット】
アンカースクリューなどの装置を必要としない

【デメリット】
確保できるスペースに限りがある

抜歯が必要なケースは？

歯を並べるために必要とされるスペースが多くなれば、それだけ抜歯の必要性は高まります。ガタガタや出っ歯などの症状が特に強い場合には、抜歯をした方がより良い仕上がりで治療することができます。また抜歯をした方が、歯の角度などが美しくしやすく、無理のない治療になるメリットもあります。

こんな歯並びは抜歯が必要

・歯列のガタガタがきつい
・ひどい出っ歯
・八重歯
・口ゴボが目立つ

叢生・乱杭歯の矯正 はこちら ＞＞
出っ歯の矯正は こちら ＞＞
八重歯の矯正 はこちら ＞＞
口ゴボの矯正 はこちら ＞＞

ひとりひとりに合わせた抜歯・非抜歯の治療計画を提案します

歯列矯正で歯を抜くかどうかは、ひとりひとりの歯並びや噛み合わせによって変わってきます。矯正治療の前に必ず口腔内スキャナーや矯正歯科専用のレントゲン撮影などを行い、抜歯・非抜歯を含めた患者様に合わせた適切な矯正治療をご提案します。
私たち淀屋橋矯正歯科では、無理な非抜歯治療を良しとせず、患者様に最適な、安心で安全な、正しい矯正治療を心がけています。矯正治療は他の歯科治療に比べて長いお付き合いとなります。皆様に信頼していただける矯正歯科専門のクリニックとなれるよう努力いたします。